こんにちは。コーヒーを愛してやまない皆様、そして特別な空間でのひとときを求めている皆様へ。
今回は、東京・中目黒に位置する「コーヒーのワンダーランド」こと、『スターバックス リザーブ ロースタリー 東京』へ行ってきましたので、その魅力を余すところなく語り尽くしたいと思います。
2019年のオープン以来、国内外から多くのコーヒーファンを引きつけてやまないこの場所。4階建ての巨大な建物すべてがスターバックスという夢のような施設ですが、今回はその心臓部である「1階:メインバー&ロースタリーフロア」に焦点を絞り、焙煎機のマニアックな話から、注文すべき一杯までお届けします。
まだ行ったことがない方は予習として、既に行ったことがある方は「あそこにはそんな秘密があったのか!」という再発見のために、ぜひ最後までお付き合いください。
1. 中目黒の川沿いに現れる「コーヒーの劇場」
東急東横線・中目黒駅から目黒川沿いを歩くこと約10分。桜並木の穏やかな風景の中に、突如として現れる圧倒的な存在感の建物。それが『スターバックス リザーブ ロースタリー 東京』です。

世界的建築家・隈研吾氏が外観デザインを手掛けたこの建物は、明るい色調の杉材をふんだんに使用しており、都会的でありながら日本の伝統建築のような温かみを感じさせます。建物の周りにはテラス席(縁側をイメージしています)が張り巡らされ、季節が良い時期には川のせせらぎを聞きながらコーヒーを楽しむ人々で溢れています。
重厚な木の扉を開けた瞬間、私たちの五感は一気に刺激されます。
鼻をくすぐる濃厚なコーヒーの香り、焼きたてのパンの香ばしさ、そして耳に飛び込んでくる活気あるざわめきと、豆がパイプを通る音。
ここは単なるカフェではありません。「コーヒー豆がカップに注がれるまでの物語」を五感で体験する、巨大な劇場なのです。
2. 1階フロアの全貌:圧倒的な開放感とデザイン
1階に足を踏み入れると、まずその広さと天井の高さに息を呑みます。ここは「スターバックス リザーブ」ブランドの世界観を最も色濃く反映したフロア。
職人技が光るインテリア
床には幾何学模様の美しいスレート(粘板岩)が敷き詰められ、天井を見上げれば、折り紙をモチーフにしたような木材の装飾が無限に広がっています。これらはすべて、日本の職人技術へのリスペクトから生まれたデザインです。

視線の先、フロアの中央に鎮座するのは、巨大な銅製のキャスク(貯蔵庫)。そしてその周りを囲むように配置された「メインバー」。どこを切り取っても絵になる空間ですが、それらは単なる装飾ではなく、すべて「美味しいコーヒーを作る」という機能美に基づいています。
この1階フロアは、大きく分けて以下の3つのエリアで構成されています。
- メインバー(Main Bar):バリスタが抽出を行うステージ
- ロースティングエリア:巨大な焙煎機が稼働する工場部分
- プリンチ(Princi):イタリアンベーカリー
それでは、それぞれの魅力を深掘りしていきましょう。
3. 施設の心臓部:巨大焙煎機「プロバット」と「カッパーキャスク」
ロースタリー東京を語る上で絶対に外せないのが、「焙煎(ロースティング)」のプロセスが目の前で見られるという点です。多くのカフェでは焙煎は裏方で行われますが、ここではそれが主役です。
伝説の焙煎機「PROBAT(プロバット)G-120」
1階の奥に鎮座するのが、ドイツのプロバット社製焙煎機『G-120』です。
コーヒー業界の人間なら誰もが憧れる、焙煎機界のベンツとも言える存在。通常のスターバックス店舗にあるマシンとは桁違いのスケールです。

このG-120は、一度になんと約100kgもの生豆を焙煎することができます。
鈍く黒光りする鋳鉄のボディ、回転するドラム、そしてそこから排出される焙煎直後の豆。ロースター(焙煎職人)たちは、タブレット端末で温度や排気などを緻密に管理しながらも、時折テストスプーン(トライヤー)を引き抜き、豆の色や香り、ハゼる音を直接確認しています。
運が良ければ、焙煎が完了して豆が冷却トレイ(クーリングトレイ)に「ザザーッ!!」と一気に排出される瞬間に立ち会えるかもしれません。その瞬間、フロア全体に香ばしいロースト香が爆発的に広がります。これぞ、ロースタリーに来た醍醐味です。
4階までそびえ立つ「カッパーキャスク」
フロアの中央で圧倒的な存在感を放つのが、高さ約17メートルにも及ぶ巨大な銅製の円筒「カッパーキャスク(Copper Cask)」です。
これは焙煎された豆を一時的に貯蔵し、ガスを抜くためのエイジングタンクなのですが、その見た目はもはや芸術作品です。

キャスクの表面には、職人が一枚一枚手作業で打ち出した銅板が使われており、その質感は見る角度や照明によって表情を変えます。そして何より美しいのが、キャスクの周りを舞うように装飾された「桜の花びら」です。
中目黒の象徴である桜へのオマージュとして、2100枚以上の銅製の桜の花びらがキャスクを彩っています。この桜の花びら、実は一枚一枚微妙に形が違うというこだわりよう。ぜひ近づいて確認してみてください。
空を駆ける「シンフォニーパイプ」
天井を見上げると、透明なパイプが張り巡らされていることに気づくでしょう。これは「シンフォニーパイプ」と呼ばれる設備です。

カッパーキャスクで出番を待っていたコーヒー豆たちは、空気圧によってこのパイプの中を通り、メインバーの豆ホッパー(貯蔵容器)へと運ばれていきます。
「カラン、コロン」という、豆がパイプを通る乾いた音が、まるで音楽のように店内に響き渡ります。これが「シンフォニーパイプ」と呼ばれる所以。ただの搬送設備をエンターテインメントに昇華させる演出には脱帽です。
4. 世界最高峰の抽出体験「メインバー」
焙煎機とキャスクを愛でた後は、いよいよコーヒーを味わいましょう。
1階のメインバーは、世界中から厳選された希少なコーヒー豆「スターバックス リザーブ」を、バリスタが最高の技術で提供してくれる場所です。
バリスタとの対話を楽しむ
ここのカウンターには、通常のスタバのような高い仕切りがありません。バリスタの手元が完全に見えるフルオープンな設計になっています。
これは「抽出の過程も楽しんでほしい」「バリスタと会話してほしい」という意図から。
「今日はどんな気分ですか?」「酸味があるのとコクがあるの、どちらがお好みですか?」
そんな会話から、あなただけの一杯を提案してくれます。知識豊富なブラックエプロンのバリスタたちとの会話こそが、ここでの一番のスパイスかもしれません。
多彩な抽出方法(ブリューイング)
ここでは、同じ豆でも抽出方法を選ぶことができます。
- クローバー(Clover):
バキュームプレス技術を使った、スタバ独自の希少なマシン。香りを逃さず、豆の個性をダイレクトに引き出します。 - サイフォン(Siphon):
理科の実験のような見た目が美しい抽出器具。ハロゲンランプのオレンジ色の光に照らされ、お湯が上下する様子は幻想的。高温で抽出するため、香り高く熱々のコーヒーが楽しめます。 - プアオーバー(Pour Over):
いわゆるハンドドリップ。バリスタの技術が光ります。セラミック製のドリッパーで丁寧に淹れられた一杯は、優しくすっきりとした味わい。 - ケメックス(Chemex):
フラスコのような美しいガラス器具。専用の厚手のフィルターを使うため、雑味のないクリアな味になります。 - ブラックイーグル(Black Eagle):
最高級のエスプレッソマシン。ラテやアメリカーノはこちらで。
ロースタリー東京限定メニュー
ここに来たら、ぜひ「通常のスタバにはないメニュー」を頼んでみてください。
おすすめ①:バレルエイジド コールド ブリュー
これは絶対に外せません。ウイスキーの空き樽(バレル)の中で生豆を熟成(エイジング)させ、香りを移してから焙煎した豆を使用しています。
アルコールは飛んでいますが、口に含んだ瞬間、ウイスキーの芳醇な甘い香りが爆発します。もはやコーヒーというより、上質なカクテルのよう。オン・ザ・ロックで提供されるその一杯は、コーヒーの概念を覆す衝撃を与えてくれるでしょう。
おすすめ②:ロースタリー フライト
「産地ごとの味の違いを知りたい」という方には、3種類のコーヒーを飲み比べできるフライトセットがおすすめ。抽出方法や豆の種類を時期によって変えているため、何度行っても新しい発見があります。
5. イタリアの食文化との融合「プリンチ(Princi)」
美味しいコーヒーには、美味しい食事が欠かせません。1階の奥には、日本初上陸となったイタリアンベーカリー『Princi(プリンチ)』が入っています。
創業者のロッコ・プリンチ氏が手掛けたこのベーカリーでは、本場イタリアの味わいをそのまま再現。ガラスケースの中には、焼き上がったばかりのパンやペストリーが宝石のように並んでいます。

イタリア版のクロワッサン「コルネッティ」。発酵バターの香りが濃厚で、サクサクとした食感がたまりません。プレーンも美味しいですが、アプリコットジャムやカスタードが入ったものも、コーヒーの苦味と絶妙にマッチします。
お昼時に訪れるなら、フォカッチャ生地のピッツァがおすすめ。もちもちとした生地に、フレッシュなトマトやモッツァレラチーズ、プロシュートなどがたっぷりと乗っています。ロースタリーで焙煎された深煎りのコーヒーと一緒にいただけば、そこはもうミラノの街角です。
6. 五感を刺激する「音」と「表示板」の秘密
コーヒーを待っている間、耳を澄ませてみてください。
焙煎機の音、豆がパイプを通る音、エスプレッソマシンの蒸気の音、人々の話し声。これらが心地よいBGMとなっています。

そしてもう一つ、特徴的な音が「パタパタパタ……」という音。
これは、壁面に設置された「クラッカーボード(反転フラップ式案内表示機)」が動く音です。
昔の空港や駅で見かけたような、文字がパタパタと回転して表示される掲示板。ここには「現在の焙煎中の豆」や「おすすめのメニュー」、時には「WELCOME TO TOKYO」といったメッセージが表示されます。
デジタルサイネージ(液晶画面)を使えば簡単で静かですが、あえてアナログなクラッカーボードを採用している点に、ロースタリーの「温もり」や「手触り感」へのこだわりを感じます。このパタパタ音を聞くと、なんだかワクワクしてきませんか?
7. 豆知識:スクープバーとリテールエリア
コーヒーを飲んで気に入った豆があれば、その場で購入して帰ることができます。それが「スクープバー(Scoop Bar)」。
ここでは、バリスタが目の前で豆をスコップですくい、量り売りしてくれます。パッケージングされる前の、焙煎したての豆の香りを直接嗅がせてもらうことも可能です。
スーパーや通常の店舗で買う袋入りの豆とは鮮度が違います。「この豆は、さっきあそこの焙煎機で焼かれたばかりなんですよ」なんて説明を聞きながら買う豆は、最高のお土産になるはずです。

また、リテールエリア(グッズ売り場)も見逃せません。
ロースタリー東京限定のマグカップやタンブラーはもちろん、カステラで有名な福砂屋とのコラボ商品や、トラベラーズノートなど、ここでしか手に入らないアイテムが目白押しです。デザイン性が高く、シックなものが多いので、自分用にはもちろん、ギフトとしても喜ばれます。
8. 攻略ガイド:混雑を避けて楽しむために
これほど魅力的な場所ですから、当然ながら混雑します。特に週末や桜の季節は、整理券が配布され、入店まで数時間待ちということも珍しくありません。
狙い目の時間帯
- 平日の朝イチ(7:00〜9:00):
最もおすすめの時間帯です。朝日が差し込む店内で、静かに焙煎機の音を聞きながらモーニングコーヒーを楽しむ。最高の贅沢です。 - 平日の夜(19:00以降):
仕事終わりの時間帯も比較的落ち着いています。夜は照明が落とされ、昼間とは違ったムーディーな雰囲気に。バーとしての利用もおすすめです。
整理券システム
混雑時は、隣接する発券所で整理券を受け取り、QRコードで呼び出し状況を確認するシステムになります。待ち時間が長い場合は、中目黒の街を散策したり、代官山方面へ足を伸ばしたりして時間を潰すのがスマートです。
9. まとめ:一杯のコーヒーの向こう側へ
長文にわたり、スターバックス リザーブ ロースタリー 東京の1階フロアについて熱く語ってきましたが、いかがでしたでしょうか。
ここにあるのは、単なる「コーヒー」ではありません。
遠い国で育てられたコーヒー豆が、海を渡り、この中目黒の地で職人の手によって焙煎され、バリスタの情熱と共にカップに注がれる。その壮大な旅路の終着点がここにあります。
巨大な焙煎機「プロバット」の力強い鼓動。
キャスクを彩る桜の優美さ。
シンフォニーパイプが奏でる豆の歌。
そして、バリスタとの温かいコミュニケーション。
これらすべてが融合して生まれる「体験」こそが、ロースタリー東京の真の価値なのだと思います。
まだ訪れたことがない方は、ぜひ次の休日に足を運んでみてください。そして、1階のカウンターに座り、目の前で繰り広げられるコーヒーのショーを眺めながら、特別な一杯を味わってみてください。きっと、これまで飲んできたコーヒーとは違う、新しい世界が見えてくるはずです。
コーヒーという飲み物が、もっと好きになる。
そんな魔法が、ここには溢れています。
施設概要
- 名称:スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京
- 住所:東京都目黒区青葉台2-19-23
- アクセス:東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒駅」より徒歩14分、東急田園都市線「池尻大橋駅」より徒歩14分
- 営業時間:7:00〜22:00(L.O. 21:30)※季節・状況により変更の可能性あり
(※本記事の情報は執筆時点のものです。メニューや営業時間は変更になる可能性がありますので、公式サイトで最新情報をご確認ください。)








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